「ずっと寝ているのが心配で」
ご家族から、こう聞かれることが多いです。
ベッドから起こすこと――「離床」は、機能維持の第一歩です。
ただし、急がず、慎重に進めます。
離床の目安
- 全身状態が、安定している
- 座位を15分以上、維持できる
ここをクリアしたら、段階的に時間を伸ばしていきます。
段階的に
- 5分 → 10分 → 30分
- 食事は、必ず座って
- リクライニング → 車椅子座位
「いきなり長時間」を狙わない。
ゆっくり伸ばす方が、結果的に早く慣れます。
注意点
- 起立性低血圧(急に立つとふらつく)
- 疲労蓄積
- 褥瘡(じょくそう)リスク
少しの時間でも、ちゃんと観察します。
「顔色が悪くなったら、すぐ戻す」くらいの慎重さで。
環境を作る
背中・足元の支えがあると、座位は安定します。
- リクライニング車椅子
- フットレスト
- クッション
「楽に座れる環境」を整えると、本人も座っていられる時間が伸びます。
> 「離床」は、起こすことより、起こしたあとを整えること。
さいごに
ベッドから出ること――それだけで、生活が変わります。
食事の景色、家族との距離、見える窓。
「座って過ごす時間」が増えるだけで、表情が戻ってくる方を、何人も見てきました。
焦らず、でも止めずに。
一歩ずつ進めていきましょう。