「歩けるようになりたい」

リハビリの目標として、よく聞く言葉です。

ただ、この言葉のままだと、リハビリが先に進みにくいことがあります。

私が、ご家族と一緒に「もう一歩先の目標」を作るときの考え方を書きます。

「歩く」じゃなく、「歩いて、どうしたい」を一緒に探す

歩けるようになって、何をしたい?

1年後、どこに行きたい?

誰に「歩いてる姿」を見せたい?

具体的な「場面」が出てくると、急に景色が変わる方が多いです。

最初は出てこなくても大丈夫。

雑談を重ねる中で、ふと、本音がこぼれてくることが多いです。

「孫の結婚式に歩いて参列する」が、目標になる

たとえばこの目標が出てきたら、そこから逆算して、必要な動きが見えてきます。

• 自宅内歩行:杖で50m

• 段差:5cm以上を超えられる

• 持久力:途中で2回休めば駅まで行ける

「歩く」が、ぐっと具体的になる。

リハビリの密度も、自然と上がってきます。

> 機能ではなく、場面で語ると、リハビリは動き始める。

最初の目標は、仮置きで十分

最初から完璧な目標は要りません。

3か月やってみて、もう一回見直す。

半年後に「やっぱりこっちかも」と書き換える。

そのくらい柔らかい目標の方が、続けやすいです。

家族と本人の目標は、別物だと知っておく

ご家族は「歩けるようになってほしい」

ご本人は「テレビを観ながら、自分でお茶を淹れたい」

そんなふうに、ズレていることがよくあります。

どちらも正解。

でも、リハビリの主役は本人。

本人の言葉を中心に据えるのが基本です。

さいごに

「歩けるようになりたい」の奥には、必ず「何のために」があります。

そこを、ご家族と一緒に時間をかけて掘り起こす。

それが、リハビリの方向を決める、いちばん大事な作業だと思っています。

目標は、見つけるものではなく、育てていくもの。

最初の一文は、雑でいい。